釜石地域 バスの変遷 〜復興とともに…路線の再編とハード面〜
「大町復興住宅」をバックにした中心部の「釜石中央」バス停。多くの路線が集結し新スポット「イオンタウン釜石」「かまりば」にも至便です。
 東日本大震災以降、釜石・大槌を取り巻く路線バスはJR山田線・三陸鉄道南リアス線の不通による代替・直通輸送と復興住宅やショッピングセンター・公共施設などの新しいまちづくりが着々と進む中心部へのアクセスと集積を担うコミュニティバスへと、復旧状況に合わせて小幅ながらも再編が繰り返されており、今後は2019年3月23日のJR山田線の全線復旧(同時に三陸鉄道へ移管)と同年9月のラグビーワールドカップの開催により、交通網も新たなステージへと変化していくと思われます。
 ここでは変化の途上にある、釜石地区のバスをハード面もあわせて紹介します。
広域路線のひとつ、上大畑と吉里吉里半島南部の大槌町赤浜を結ぶ路線です。 沿岸部最大のショッピングセンター「シーサイドタウンマスト」と移転新築した県立大槌病院を経由します。
なお、広域バスは通常運賃となっています。
 
 
↑船越駅前〜道の駅やまだ間では、不通のJR山田線 釜石〜宮古間の代替輸送の一翼を担県北バス宮古方面行きに接続します。2018年3月23日以降の山田線全線再開(→三陸鉄道リアス線)後には動きがあるものと思われます。
↑もうひとつの広域路線、上大畑と道の駅やまだを結ぶ釜石船越線です。不通のJR山田線 釜石〜宮古間の代替輸送を担っており、宮古駅方面へは終点の道の駅やまだ、または岩手船越駅で県北バスに乗り換えができます。
↑かまいしまるごとコミュニティバスのひとつ、平田第6仮設行。市内南部の佐須・花露辺・大石行も途中の平田第6仮設住宅を経由します。
コミュニティバスは釜石駅手前の教育センターを起点に100円〜300円の定額運賃となっています。
↑釜石〜宮古(浄土ヶ浜パークホテル)間には春季・夏季の各土・日・祝日に直通バスを運行していたシーズンもあり、釜石行きは「やまだ観光物産館とっと」宮古行きは「三陸花ホテルはまぎく」を経由、90分程で結んでいました。
↑こちらは震災前は小川までだった路線をほたるヶ丘団地まで延長しており、付近の仮設住宅ほかの利便性を向上させています。
↑コミュニティバスの中では本数は少ないながらもかつて多くのバスが待機していた車庫があった中心部東部の東前に行く路線もあります。盛岡地区から転属してきたエアロミディMEも使われています。
↑かつて震災後には、買い物・通院での乗り換えの不便さを解消するためにワンコインの「まちなか循環バス」が運行されていました。
国道283号線ルートの南側、病院・スーパーが多いの区域もカバーしていました。
↑三陸鉄道南リアス線が全線復旧する迄の間、代替輸送を担っていた上大畑〜大船渡病院間の路線です。大船渡へ通しで乗車する場合もコミバス区間末端の荒川にて定額運賃で一度精算。大船渡市内へ入ると通常運賃と変則的でした。
↑釜石駅前バス停。バスプールが設けられ、上大畑・大橋へ向かうコミュニティバスは駅前ロータリー内へ乗り入れるようになりました。
反対方面は全ての便がこのバスプールに発着します。
↑同じ釜石駅前バス停でも、上大畑行きで大槌・山田町からの広域バスは従来通り、バスプールから国道283線を挟んだ製鉄所側からの発着となります。
↑2017年6月から秋までの間、バスロケーションサービス「バス予報」の実証実験が行われました。従来のようなバス停でのディスプレイやサイネージ方式とは異なり、手持ちのスマホでサイトにアクセスし運行状況を掴む方法です。
↑釜石駅のひとつ西側は「教育センター」バス停となりますが、かつてここはバスターミナルとしての機能を持たせるべく、コミュニティバスの多くを集約させ、発着していました。(広域バスはこのバス停を経由しません)
↑震災後しばらくの間は教育センターバス停(3箇所)前に待合室のプレハブが設置されていました。
↑教育センター停留所のすぐ後ろには震災後の仮設「釜石はまゆり飲食店街」が軒を連ね、60年の歴史をもつ名物「呑ん兵衛横丁」も同じく仮設で営業を続けてきましたが、惜しまれながら2018年3月末で営業を終えました。
左写真と反対側の様子。まちなかの新しい文化の殿堂 釜石市民ホール「TETTO」をバックに、路線バスが行き交います。
c40b1270.gif c40b1269.gif c40b1261.gif